本書はサブタイトルの通り、ビジョナリー、イノベーターと挑戦者のためのハンドブックとなっており、企業の経営企画系サラリーマンから中小企業の社長あたりが対象読者となる本かと思われます。デザインがいい本なので本棚が明るくなります、サイズ感がアメリカンである点がデメリットですが笑
帯がまた中々キャッチーでして
ソニー、トヨタをはじめとする社員が、翻訳される前から読者会を開催、熱中する本は、ドラッカーでも現れなかった。
バラバラにしか見えなかったビジネスの全体像が、この本で、悔しいぐらいにわかってしまう!私が、2011年に読んだ本の中で、ベストです。
中々キャッチーですが、結構古いのかなと思いましたが手に取り読んで見ました。因みにAmazonでの評価は以下の画像をクリックしてご確認下さい。
星4つなのでそこそこ良書かと思われます(クリックでAmazonへ飛びます)
コンテンツ
本書の原点
今の組織が5年後、10年後今のビジネスモデルでどうなっているか想像していますか?新しいビジネスモデルを考えなくて大丈夫ですか?このような問いかけに対応する形で書かれています。
ビジネスモデルの定義 どのように価値を想像し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの。
定義に基づきビジネスモデルは9つの構築ブロックに分類されます。
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顧客セグメント(CS)
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価値提案(VP)
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チャネル(CH)
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顧客との関係(CR)
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収益の流れ(RS)
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リソース(KR)
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主要活動(KA)
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パートナー(KA)
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コスト構造(CS)
顧客セグメント
顧客なくして企業は生き残ることが出来ないため、セグメントを定めて行きます。
例:マス市場、ニッチ市場、細分化、多角化、マルチサイドプラットフォーム(相手が複数社)
価値提案
顧客の抱えている問題を解決し、ニーズを満たすもので顧客がなぜその会社を選ぶのかの理由となるものです。
顧客にどんな価値を提供するのか?どういった問題の解決を手助けするのか?顧客のどういったニーズを満たすのか?顧客セグメントに対してどんな製品とサービスを提供するのか?という問いから導き出される答えに当たるものになります。
例:新奇性、パフォーマンス、カスタマイゼーション、ブランド、デザイン、価格、コスト削減、リスクの低減、アクセスしやすさ、快適さ/使いやすさ など
チャネル
顧客セグメントにどのように価値のアプローチをかけるか
機能として、企業製品やサービスの認知度を上げ、企業の価値を評価し、製品やサービスを購入出来、顧客に価値提案出来、購入後のサービス提供が出来ることを指す。
どのチャネルで顧客セグメントにリーチしたいか?、今はどのようにリーチしているのか?、チャネルをどのように統合出来るか?、どのチャネルがうまくいっていて、どのチャネルが最も費用対効果が高いか?、チャネルを顧客の日常とどのように統合するか?という問いから導き出される答えにあたるものになります。
顧客との関係
企業として顧客セグメントに向けてどのような関係を構築したいのかはっきりさせることを指します。
顧客獲得、顧客維持、販売拡大のどこに着目するかです。
例:パーソナルアシスタンス、専任のパーソナルアシスタンス、セルフサービス、自動サービス、コミュニティ、共創
収益の流れ
企業が顧客セグメントから生み出す現金の流れを指します。顧客がどんな価値に対してお金を払うのか、例えば、固定価格、安売り、オークション、市場価格、ボリュームディスカウント、利益管理等。
顧客はどんな価値にお金を払おうとするのか?、現在は何にお金をはあっているのか?、どのようにお金を払っているのか?、どのように支払いたいと思っているのか?、全体収益い対してそれぞれの収益の流れがどれくらい貢献しているのか?
方法:資産価値のある商品の販売、使用料、購読料、レンタル/リース、ライセンス、仲介手数料、広告
リソース
ビジネスモデルの実行に必要な資産のことを指します。リーソスが無い場合、企業は価値を生み出すことも、マーケットにリーチし顧客との関係を維持することも収益を上げることも出来ません。
価値を提案するのに必要なリソースは何か?、流通チャネルや顧客との関係、収益の流れに対してはどうか?という問いの答えに当たります。
カテゴリー:物理的なリソース、知的財産、人的リソース、ファイナンスリソース
主要活動
企業が経営を成功させるために必ずやらなければならない最も重要なアクションのことを指します。TV放送にあったっての広告(CM)を意味しています。
価値を提案するのに必要な主要活動は何なのか?、流通チャネルは?、顧客との関係は?、収益の流れは?の問いの答えにあたるものになります。
例:製造、問題解決、プラットフォーム/ネットワーク
パートナー
ビジネスモデルを構築するサプライヤーとパートナーのネットワークを指します。
4分類あり、①非競合企業による戦略的アライアンス、②競合企業との戦略的パートナーシップ、③新規事業立ち上げのためのジョイントベンチャー④確実な供給を実現するためのバイヤー・サプライヤーの関係
主要なパートナーは誰だろうか?、主要なサプライヤーは?、どのリソースをパートナーから得ているのか?、どの主要活動をパートナーが行っているのか?という問いの答えにあたるものです。
動機に注意:最適化と規模の経済、リスクと不確実性の低減、リソースと活動の獲得
コスト構造
ビジネスモデル運営にあたって発生する全てのコストのことを指します。価値を生み出し届け、顧客との関係を維持し利益を生み出すのに必要な全てのコストです。
ビジネスモデルにおいて特有の最も重要なコストは何だろうか?、どのリソースが最も高価だろうか?、どの主要活動が最も高価か?という問いの答えになります。
主にコスト主導か価値主導かの2つに大別されます。
コストの分類:固定コスト、変動費、規模の経済、多角化の経済性
以上9つのポイントをまとめるペーパー
ビジネスモデルキャンパスというペーパーにマトメます。
オフィシャルサイトから落とせますので活用してビジネスモデル検討に活用して行きましょう(書籍内にURLあり)。
まとめ
第一章をマトメて見ましたが以下はほぼ事例集という形になっています。APPLEやプライベート・バンキングのほか任天堂Wiiなどの具体的な事例のほか、ブレーンストーミング手法の解説などが掲載されています。興味を持たれた方は是非購入してみて下さい。
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